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アンブローズ・ビアス『悪魔の辞典』
ブラックユーモアの古典(たぶん)


最近まで知らなかったんですが、筒井康隆氏や別役実氏のブラックな辞典もののルーツになった古典。アンブローズ・ビアスは19世紀アメリカのジャーナリスト、コラムニスト。かなりラディカルな人だったようで、大統領選を左右したほどの影響力があったとか。

私は、風刺やブラックユーモアは、暴力なしで世界を改善していくために不可欠な言論だと思っているので、こういう人にはぐっときます。ブラックユーモアは(先日のBBCのIQ騒ぎみたいに)誤解されがちだけど、弱者やマイノリティを気にかける人ほどブラックユーモアを発信するものです。「冷笑」の対象は必ず弱者ではなく、某かのパワーを持った人たちなのです。


くすっと笑いつつ、うーんと考えさせられる名言が満載
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愛国心:自分の名声を明るく輝かしいものにしたい野心を持った者が、たいまつを近づけると、じきに燃え出す可燃性の屑物。

伝記:小物が大物に対して捧げる文学上の賛辞。

度胸:新聞に匿名で投稿するものが持ち合わせていないあるもの。

  アンブローズ・ビアス『悪魔の辞典』西川正身編訳 より