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昔、日本でもドラマで有名になった、ワイルダーの『小さな家シリーズ』。この一作目『大きな森の小さな家』の原書を読んでいます(しばらくさぼっていた英語多読を再開したので)。kindle版は100円でした

子どもの頃に熟読したものだし、語り口も、5歳前後のローラに合わせて(?)後続の本に比べて易しいので、簡単に読み進むことができます。....が、"移動ベッド"、 ”さくじょう” 、"雷管".....など、昔、日本語で読んでもとまどった単語に「うっ...」となったりします....

開拓時代の合衆国の一家族の生活ぶりが、少女の成長を通して語られるシリーズ。もしかしたら男性はあまり興味をひかれないかも知れないけど、これって実は冷徹な記録文学っぽい内容で、『赤毛のアン』みたいなイメージとは、ある意味正反対なんですよ 八ヶ岳が好きで移住した人には、おすすめです。

私はドラマはあまり好きじゃなかったんですが、母に原作を買ってもらってから、夢中になりました。特にこの一作目『大きな森の小さな家』が一番好きでした。

バターの作り方、ブタの解体と利用の仕方、カボチャと薫製でいっぱいの冬の屋根裏部屋、煮詰めたメイプルシロップを雪に注いで作るキャンディ、クリスチャンの日曜日の過ごし方....。家族が、それぞれの役割を持ち、責任を果たさなければ生きていけない、本当に厳しい自然との共生。だからこそ「自分は、信頼に足る人間で在らなければならない」と、全員が努力していた様子が伝わってきます。

原書を読んで「おおー...」と思ったのは、ローラの父さんが夜な夜な弾いていた楽器のこと。むかし読んだ日本語版だと”ヴァイオリン”となっていたけど、英語だと”fiddle”だったんだー、と初めて知りました 
アイリッシュパブを始めてからこれまで、たくさんのフィドラーさんたちの音を聴かせてもらいました。あの、楽しげで日常に密着した雰囲気を知った今となって初めて、ローラの父さんの奏でる音と歌を、少しは想像できているような気がします。