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ネットで家用の器を物色していて、ふと、応量器(おうりょうき)のことを思い出し、ウロウロしているうちに、こちらの漆器職人さんのblogにたどり着きました。盛られたお料理の写真にドキドキします。「これを盛っても、いいんだ!」って....

応量器とは、禅宗の修行僧が日々の食事に使う、入れ子式の漆器のセットのこと。修行僧はこれを使ってお粥メインの精進料理を食べ、食後は白湯とタクアンを使ってすすぎ、その湯も飲み干したのち、箸 (訂正:箸じゃなくてへらでした)と布巾で拭いて、そのまま重ねて収納します(水洗いはしません)。

機能的な無駄が削ぎ落とされていて、美しいな〜。。
やっぱり黒のほうだよな〜〜...
...って、いやいや
ちょっと欲しいけど、お高くて無理。
それに、形だけ真似しても仕方ないしね

永平寺の料理人である典座(てんぞ)だった方の、こちらのblogも、精進料理の勉強になります。
お店では、対極みたいなメニューをお出ししていますけどね(笑)
八ヶ岳南麓では、ふだん気を使った健康的な食事を摂っている方が多くて、そういう方々が「たまには揚げ物にビール!」という気分の時に来て下さっていると思っています。実際、お客様には、食に対する意識が高くてお料理も上手な方が多いです。

長いこと忘れていたけど、五観の偈(ごかんのげ)は良い詩だったなあ。まだ口をパクパクしている生きた魚達を殺して食べる時のチクチクした痛みから、私を救ってくれた。。
まったく身に付いてなくて、食べ過ぎてしまう私だけど... これを時々思い出すだけでもまだましか。戒めが身体に叩き込まれているって、ちょっとありがたいことかも、と思った夜でした。えーと何がしたかったんだっけ。


五観の偈
  • 一 計功多少 量彼来処 : 功の多少を計り彼(か)の来処(らいしょ)を量(はか)る。
  • 二 忖己德行 全缺應供 : 己が徳行(とくぎょう)の全欠を[と]忖(はか)って供(く)に応ず。
  • 三 防心離過 貪等為宗 : 心を防ぎ過(とが)を離るることは貪等(とんとう)を宗(しゅう)とす。
  • 四 正事良薬 為療形枯 : 正に良薬を事とすることは形枯(ぎょうこ)を療(りょう)ぜんが為なり。
  • 五 為成道業 因受此食 : 成道(じょうどう)の為の故に今この食(じき)を受く。
     
  • 一、この食事がどうしてできたかを考え、食事が調うまでの多くの人々の働きに感謝をいたします。
  • 二、自分の行いが、この食を頂くに価するものであるかどうか反省します。
  • 三、心を正しく保ち、あやまった行いを避けるために、貪など三つの過ちを持たないことを誓います。
  • 四、食とは良薬なのであり、身体をやしない、正しい健康を得るために頂くのです。
  • 五、今この食事を頂くのは、己の道を成し遂げるためです。