satosatoru

「おもしろいよ〜」と、貸して下さった方があったので、恥ずかしながらこの歳になって初めて読んでみたら....
わーほんとだ!めちゃくちゃおもしろーい!!楽しい!!

10歳の主人公が、野山を探索しているうちに自分だけの秘密の場所を発見し、小さな神様「こぼしさま」の言い伝えを聞いて魅了され、やがて本当に小人族「コロボックル」に出会うことになるっていうお話。

戦中戦後という過酷な現実世界に居たはずの主人公が、気付いたら、違和感なくファンタジーの世界に入ってる! 上手い....

私にも、海岸や野山を探検して、自分だけの秘密の場所を探していた頃があった。小さな泉を見つけるなんて、もう.....想像しただけでも興奮して、過呼吸になりそうだった(笑)。そのワクワク感が、蘇ってきた。

10歳の時に出会いたかった...。
....とはいえ、知ってはいたけど、喰わず嫌いだったんだよな〜。
佐藤さとるさんの童話は子どもの頃、田舎の図書館でも見かけてはいたけれど
なんとなく、手に取ることがなかったシリーズ。

実は、村上勉さんのカラーイラストのタッチが苦手だったっていう、それだけの理由で

今読んでみたら、素晴らしい挿絵で感動した。
特に白黒のイラストの、線が....素敵!ため息が出る。
本文の緻密な自然描写が、きちんと解釈されてる。
(表面的に上手いだけの”お絵描きさん”って、例えば「イモのつるが...」っていう文が出てくる小説に、平気でジャガイモ畑の挿絵を描いてしまうケースがあったりする


引き続き、『豆つぶほどの小さな犬』を読み始めた。

異種、異部族、異民族、異国民との付き合い方に、成功した例、失敗した例...
ニンゲンの歴史を辿るといろいろあるけれど....
うまくいった場合の理想の形をひとつでも示すことができるのが、良いファンタジーとフィクションの魅力なのかも知れないな〜